ブックレビュー

幡野広志著「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読みました。

おはようございます、こんにちは、こんばんは、すなおたまき(@office_sunao)です

突然ですが、

あなたには「大切な人」はいますか?

また、「大切にしているモノ・コト」はありますか?

あなたにとって「幸せ」ってなんですか?

 

私にとって、いちばん大切な人。

それは、「子供たち」です。

そしてもちろん、彼らを共に育てている「夫」の存在は欠かせません。

 

今の私にとって「家族」はなによりも大切な存在です。

 

先日、私があらためて「子どもたち」「夫」「家族」を大切に感じる、きっかけがありました。

それは、写真家であり元狩猟家である幡野広志さんの著書

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読んだことです。

 

幡野さんはこの本を書かれた時34歳。

多発性骨髄腫というガンを患っており、闘病中です。

「余命3年」という診断もされてしまいました。

そんな幡野さんの書かれた本。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」

 

タイトルを見てなんとなく想像がつく方もいるかと思いますが、

ご自身のお子さん「優くん(2歳)」へ向けて書かれています。

 

この本を通じて、

  • 「親」として
  • 「ひとりの人間」として
  • 「自分が幡野さんの子どもだったなら」…と想像しながら

幡野さんの文章を味わって読みました。

大切なことをを思い出させてくれる、気づきの多い内容でした。

 

この本は、難しくはありません。

幡野さんがご自分のお子さんへ向けて優しく淡々と書かれているので、

おそらく私の長男(5歳)に読み聞かせても、なんとなく幡野さんの伝えたいことは伝わるのではないかと。

小学校高学年~中高生のお子さんだったら、すんなりと読めてしまうのではないでしょうか。

私は、同じ子どもを育てる「親」として、この本をすべての「子育てに関わる皆さん」に読んでもらいたいです。

2人の子どもをもつ、ひとりの母親の視点から、感じたことを以下にまとめてみました。

この記事が「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読むきっかけになったらうれしいです。

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「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の全体像

まず幡野広志さんの著作「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の全体像をご紹介していきます。

この本は、以下4章に分けられています。

  1. 優しさについて、僕が息子に伝えたいこと
  2. 孤独と友だちについて、息子に学んでほしいこと
  3. 夢と仕事とお金について、息子に教えておきたいこと
  4. 生と死について、いつか息子と話したいこと

どれも幡野さんご自身の思いや考え方、物事のとらえ方がわかりやすく書かれています。

ちなみに、私が気になった文章をご紹介しておきます。

それは「1 優しさについて、僕が息子に伝えたいこと」のうち、
「安心という優しさ」の項目の中に書かれています。

以下に少し引用させていただきます。

子供という自分より圧倒的弱い存在にどう接するかで、僕や妻がどんな人なのかも決まる。

 

褒めること、叱ること両方が揃ってこそ、親の優しさと言えるのではないか。

 

妻と僕が決めているのは「2人で叱るのはやめようね」ということ。

片方が叱ったら片方は寄り添う。

お父さんとお母さんから叱られたら子供の逃げ場がなくなってしまう。

 

これを読んで、私ははっとしました。

私たち夫婦も、以前「子どもを叱るときは…」と同じような約束をしていたからです。

でも私たちはそれをいつしか忘れ、特に長男を叱るときなどはふたりがかりで叱ることが多くなっていました。

「逃げ場がなくなる」のは、本当にその通りだと思います。

夫にもこの本を読んでもらい、今一度わが子を叱る際はどちらが叱って、

どちらが逃げ道になるのか…を分けて考えようと思います。

子どもの心をしっかりと育てるためにも「叱る」という行為は慎重にならなければ…と反省しました。

特に印象深かったのは、「優しい虐待」

ここでは幡野広志さん著作「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の中で

特に印象深かった部分をご紹介させていただきます。

 

幡野さんの本の中には「優しい虐待」という言葉が出てきます。

その言葉はなくとも、同じことをさす内容が多い印象です。

「優しい虐待」とは何なのか?

 

ガンになったことを公表した幡野さん。

幡野さんのもとには、ガン克服のためのありとあらゆるアドバイスがたくさん届いたといいます。

でもそれは、どれもこれも根拠のないものばかり。

そんな安易なアドバイスをしてしまうことを、幡野さんは「優しい虐待」と表現しています。

余命を宣告された当初はきっと心身ともに動揺し、辛かっただろうと想像します。

それでもなお真摯に毎日を生きて、家族と幸せを感じながら暮らそうとしている幡野さんに、

根拠のないアドバイスを押し付け、「これをやればガンが治ります」と嘘をつくのはいかがなものか?と私自身読んでいて思いましたが、

実際そういうアドバイスをされる方々は、それが本当に正しいと信じて疑わず近寄ってくるそうです。

「良かれと思って…」

「悪気なく」

「自分はいいと思ったから」

自分の都合を押し付けるのは、虐待に等しいと幡野さんはこの本で伝えています。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の中で多く取りあげるのは、

いかにそうした「優しい虐待」をしてくるひとが多いか…ということに繋がるのではないでしょうか。

私自身、気を付けているつもりですが、これは慎重に見極めていかないと自分で気づかぬうちに誰かを傷つけてしまう可能性があると考えました。

「気づかぬうちに」「良かれと思って」誰かを傷つけてしまう。

大切な誰かと接する時はもちろん、この文章を書いている今も、私の文章を読んで誰かが傷ついてしまわないかと繰り返し考えます。

「優しい虐待」

特に子どもたちには、そうしない大人でありたいです。

私が子どもなら教えてほしかったお金の話

幡野広志さん著作「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読み進めていくうちに、

「私も幡野さんのこどもだったらこれを教えてほしい。」

と感じた内容がありました。

それは、「3 夢と仕事とお金について、息子に教えておきたいこと」に書いてあります。

「お金の教育」と題した文章の内容は、私自身が知りたいと思うものでした。

  • 子どもにお金をのこすより、子ども自身がお金を生み出す方法を教えたほうがいい
  • お金と時間があれば、選択肢は広がる
  • お金にお金を稼いでもらったほうがいい

といった言葉は、なるほどと納得しました。

また、お子さんのおこづかいについても触れています。

幡野さんのお金の教育はきっと将来役に立つ知識になると感じます。

この3章はお金のことだけではなく、夢を持つことや仕事について、

幡野さん独自の視点がとてもポジティブで新鮮に感じられました。

夢を叶えるプロセスについては、過去に私がしていた空手と通じる部分があります。

私がポジティブな印象を受けたのは、きっと幡野さんご自身が日々の経験を通じて得たものを、惜しむことなくお子さんへ伝えようとしているからだと考えます。

とても勉強になる内容でした。

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「生と死」についての思考

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の著者、

幡野広志さんは34歳で多発性骨髄腫というガンを患い、余命3年の診断を受けた写真家さんです。

また別の顔として、元猟師であったことも知られています。

猟師とは害獣を駆除することが仕事ですが、

幡野さんはそこで「死」と対峙し、

「生と死」についての思考と、

「写真」に残すことで「作品」を得ることができたといいます。

 

元々「知らないことを知る」「考える」ことが好きだという幡野さん。

狩猟を通じて、他の人より数多く「死」について考える場面が多かったのかもしれません。

その経験があったからこそ、ガンになり自分自身の「死」と直面したときに、受け入れることができたとのこと。

幡野さんの猟師としての文章はとても興味深いです。

これもきっと、息子さんの生きるヒントになるでしょう。

「生と死」についての思考 私の場合 内観療法の紹介

多くの人は単純に「死」について考えること自体、少ないのかもしれません。

特に子育てしていると、毎日生きるエネルギーに溢れた「命の塊」を相手にしているので、「生」については考えるのに「死」がすぐそばにあることを忘れがちです。

私の場合、「死」について考えるきっかけとなったのは「内観療法」を受けたときでした。

幡野さんの著作の内容からは少し外れますが、ここでは同じ「死」について考えるという点で「内観療法」を紹介させていただきます。

以前、まだ夫と結婚する前に私は「内観療法」を受けました。

それを行う施設に一週間ほど入り、特定の人物(主に、母、父、配偶者、子どもなど)に対して

  • してもらったこと
  • して返したこと
  • 迷惑をかけたこと

の3点をさかのぼって幼い頃から順に思い出して考えます。

大体1~2時間ごとに3~5分、1日5~8回ほど、カウンセラーの先生との面接があり、内観した内容を簡潔に報告します。

内観療法は時系列の遠い順に自分のことを振り返ることで、自分自身を客観的に見つめる、脳みその訓練のようなものです。

内観がうまくいくと、自己肯定感が生まれて、周囲の愛情を実感し感謝できるようになります。

主に、親子・夫婦・職場の人間関係の不和、うつ病、アルコール依存症、非行、心身症などの問題の改善に効果があるそうです。

私が受けた理由は、毎日を生きることがどうしても辛く「なんでこんなに辛いんだろう?」と自分自身に答えを求めたからでした。

内観施設の先生に面接の際に言われたことがあります。

「明日のことは誰にもわからない。」

今も、時々忘れないように意識的に思い出す言葉です。

明日がくることは当たり前ではなく、本当に明日がちゃんとくるのかは誰にも分からない。

だからこそ、「今」という時間を生きて、大切に過ごすべき。

きっとそういうことを伝えてくれたのではないかと思っています。

幡野さんは狩猟を通じて、「生と死」について考え、

私は内観療法を通じて、「生と死」を考えた点が、

少し似ていると感じましたので、ご紹介させていただきました。

愛情と生きる上でのヒントが凝縮された4章

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」の中で、

息子さんへの愛情が多分に伝わってくるのが

「4 生と死について、いつか息子と話したいこと」です。

残していくことになるであろう息子さんへむけて

  • 病気になったことでわかったこと
  • 生きることについて
  • 「生と死」について
  • 自分で考える力を養うことと答えを見つけること

など、たくさんの「生きていくためのヒント」が書かれています。

先にご紹介した「両親そろって子どもを叱らない」というのもそうでしたが、

ご自身の子育てについても触れていて、

「子育てとは、子どもを死なせないこと」

という点に強く共感しました。

 

幡野さんご自身が健康で、息子さんと一緒にこれからも長く一緒に生きていられるのならば、

本来ここに書かれた文章は、ご自身の言葉で直接話すのが一番なのだろうと思います。

ですがそれがかなりの高確率で難しいと判断して、こうして文章を残しています。

できることならば、ご自身の著作を手に取って一緒に息子さんと読んでほしいですが、

きっと仮にそれが叶わなかったとしても、優くんにとって幡野さんは「自慢のお父さんに」なることでしょう。

幡野さんの親としての覚悟と愛情が伝わってくる4章のご紹介でした。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読んで欲しい理由

幡野広志さん著作「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」のご紹介をここまでさせていただきました。

私自身は同年代として、また同世代の子どもを持つ「親」として、とても考えることの多い一冊でした。

同時に、この本を「子育て」に関わる方々に読んで欲しいと考えました。

なぜなら、幡野さんの様な価値観を持ち、真っ直ぐにそれを伝えることができる人は最近では珍しいと思うからです。

私も含め、誰かの顔色をうかがったり、長いものに巻かれてみたり、自分の本心とは違う行動をとったり、嘘をついてしまったりするひとは多いと思います。

わが子に対しても、つい自分の都合を押し付けてしまったり、余裕がなく彼らのペースに合わせることができなかったりします。

それらもまた「優しい虐待」になりかねません。

幡野さんの文章は、人に群れること無く、孤独を恐れず、ご自分の考えを真っ直ぐ発信している印象を受けます。

はたと

「この方は本当にガンを患っていらっしゃるのかな?」

と疑いたくなるほどです。

以前Twitterで「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」についての

感想やレビューを検索して読んでいた時に、

どなたかが

「幡野さんはガンだけれど、心がすこぶる健康だ」

ということをつぶやいていました。

まさにその通りだと思います。

病に屈することなく、前向きな発信をされている印象の幡野さんですが、

本当にどん底だったときは自殺を考えたこともあるそうです。

ガンという病気になってもブレることのない「強さ」。

その「強さ」に裏打ちされた「優しさ」を幡野さんは持っているのではないでしょうか。

 

実は、この本を読み始めた当初、自分の中のネガティヴな部分が気になって、

幡野さんと自分を比べて「自分はダメだなぁ」と落ち込むことがありました。

 

でも、私は幡野さんにはなれないし、幡野さんが私になることもありません。

当たり前ですが、この「自分」で生きていくほかないです。

そう考えるに至ってからは、すんなりと幡野さんの文章が入ってくるようになりました。

考えることの大切さや、物事を深く掘り下げることの大切さを教わりました。

これは、今後私自身が「親」として子どもたちと関わる際に、生きてくると思っています。

この記事を読んでくださる皆さんも、ぜひ「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」

を読んで幡野さんの価値観や思考に触れてほしいです。

最後に、改めて「あなたの大切なひと」は誰ですか?

  • あなたの「幸せ」ってなんですか?
  • 私自身の「幸せ」ってなんだろう?
  • 子どもたちの「幸せ」ってなんだろう?
  • 夫の「幸せ」ってなんだろう?
  • 家族としての「幸せ」ってなんだろう?

それぞれの「幸せ」は、みんな違うと思います。

限りある時間と命を使って、どう生きていくか。

私は、今後わが子たちとその折々でそんなことを一緒に話す機会を設けようと決めました。

そして、最後の最後になりましたが。

ぜひこの本を読み終えた際には、カバーを外して見て下さい。

きっと素敵なことがおこりますよ🍀

この記事を、最後まで読んで下さりありがとうございました。

補足

幡野さんは、この本を出される前からご自身でブログを書かれていました。

お子さんが生まれる前のことや、病気になって猟師をやめる前のことも書いてあります。

写真もたくさん掲載されています。

幡野広志さんを知るにはこちらもとてもおすすめですので、著作と一緒に読んでみてください。

 

また、Twitterでは質問箱に投稿された質問に答えることもしていらっしゃいます。

 

また、糸井重里さんのほぼ日イトイ新聞にも幡野さんと糸井さんの対談が紹介されています。

こちらは2018年9月の記事なので、「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」出版後の対談です。

 

また、2018年11月15日まで写真展を開催していらっしゃいました。

その様子を紹介する記事はこちら。

 

ガンを患ってなお、ご自身の考えをアップデートさせるべく精力的に活動し続ける幡野さん。

そのご自身の「幸せ」をずっと維持していけることを、

また幡野さんが一日でも多く、ご家族との幸せな生活を送ることができますよう
陰ながら勝手に応援させていただきます。

大切な一冊の作品を届けてくださり、ありがとうございました。

ABOUT ME
すなお たまき
すなお たまき
2人の男児子育てに奮闘するお母さんです。生まれ育ち東京都、2018年神奈川県→広島県江田島市に家族で移住 新たにお母さんになった女性たちが安心して子育てできる「社会」をつくりたい。育児は本来辛くしんどいものではなく、子供の「今」を親子で楽しむ貴重な時間だと考えています。お母さん×男児子育て、社会、移住、働き方、生き方、暮らしなどについてよいと思ったものを厳選し情報発信しています。